2011年10月13日木曜日

早稲田、深川教授の講演に思う、日韓企業の提携の可能性。


先日、早稲田大学政治経済学術院の深川由紀子教授の日韓企業文化比較に関する講演を聴講したので、印象に残った点を挙げたく。

教授に関するWikiはここ。→
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B7%B1%E5%B7%9D%E7%94%B1%E8%B5%B7%E5%AD%90

教授の指摘したポイントはここ。

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1) 国土も狭く、国内マーケットも小さい韓国は、1990年代後半のIMF危機以降、Global化をせざるを得ず、実際に、積極的に
Global化をして、文字通り成功した。

2) 韓国国内の企業内でも、Global化が進展しており、例えば、ソウル郊外の水原市にあるサムソン電子の工場では、100以上の国籍のスタッフ
で形成されている。

3) 大企業と中小企業間、あるいは、大企業内自体にも、給与格差は確かにあるが、厳正な勤務評定に基づく格差なので、個人レベルでの不満は、報道されているほど、大きくなく、むしろ、受け入れている様だ。大企業に勤務していても、大体50歳前後で退社し、その後、独立するのが一般パターン。

4) 「韓国企業は独創性に欠ける。」とか、「日本のマネばかりしている。」と言った批判はあたらない。国際的な特許取得は、韓国企業総体で、世界でも5指に入る。

5) 日本の技術系の企業では、理系出身者が幅を利かせて、技術開発ばかりに注力しているが、韓国企業では、「中庸の技術を、世界に売り込む文系出身者」の存在がフォーカスされており、彼らが実際に、世界中での売り込みに成功している。つまり、業務の役割分担が明確である。
また、文系出身者は、欧米でLaywerやCPAの資格を取得している者も多いし、MBAを取得しているスタッフは、圧倒的に多い。

6) 一方で、韓国国内の一流大学を卒業した韓国人が、韓国企業での激烈な競争を嫌い、ぬるい日本企業への入社を嗜好する傾向も確かにある。
従って、早稲田大の大学院にも、日本企業への就職を目指し、留学してくる学生が多い。

7) 「決断が速く、行動が大胆な韓国企業」と、「時間を掛けて精密さが売りの日本企業」が組めば、最強のコンビになる。
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全体的に、研究した結果を、ユーモアを交えながら、淡々と説明する教授の姿勢に好感をもちました。
研究成果を発表するのみで、下らない結論を下さない点が良かった。(もっとも、普遍的な結論が出る様な問題ではない!)
要は、「個々の企業が自分で考えろ!」と言うメッセージだと思う。

色々と考えさえられるいいセミナーだった。
会社をサボって、参加した意味があった!(笑)

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