2012年1月24日火曜日

夢多き若者の意欲を挫く様で、誠に申し訳ないが、あまり意味がないですね。

日本経済新聞電子版の記事です。
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A96889DE1EAE0E3E2EBE6E2E0E0E2E3E0E2E3E08683E6E2E2E3

「国境なき就活 若者、片道切符で成長市場アジアへ」と言うタイトルの記事があったので、
30歳前半の過去の自分(詳細は、本ブログ、「 マニラの熱い夜 」参照。)に、重ね合わせて、期待して読みました。
しかしながら、正直、期待外れでしたねえ。
率直に言って、現地採用を美化しすぎです。

(以下、引用)
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活躍できる職場を求め、海外で就職先を探す若者が目立ってきた。閉塞感のある日本を飛び出して向かうのは、アジアの新興国。高度成長のまっただ中に身を置く高揚感があり、世界市場を肌で感じながら働くことができるからだ。20代から30歳前後は内向き志向が強いと指摘される世代だが、現地採用という“片道切符”の道をあえて選び、将来のキャリアを見据えて自分磨きに努めている。(後略)
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書き出しは勇ましかったが、この記事で、具体例として取り上げられている「海外で就職先を探す若者」は、全員、東南アジアでの「日本企業現地採用希望組」ですねえ。
確かに、「兎に角、海外に行きたい!」と言う気持ちは十分に理解するが、「日本企業の現地採用」を最初から、狙う事自体が既に、Domesticですねえ。

なぜ、東南アジアに突っ込むのに、東南アジアの会社を狙わないのか?
なぜ、海外にまで、わざわざ行くのに、日本企業の現地採用を最初から狙うのか?
そもそも、東南アジアの日本企業に於ける、現地採用の実態を分かっているのか?

私が4年間働いていたフィリピンでは、日本企業の現地採用の日本人は、英語は勿論、タガログ語が話せるのがデフォルトです。
語学一つとっても、この程度の準備は最低限必要なのに、本当に、準備ができているのか???

それに、給料が安いのは、「修行期間」として納得ずくでしょうが、「日本企業の現地採用日本人」の立ち位置と言うのは、難しいですよ。
「日本人だから、現地スタッフよりも、給与面でも人事面でも優遇されて、重要な仕事が任せられる。」と勝手に思い込んでいるのではないか?

私が、2000年代前半に、比国マニラの日本企業で働く現地採用スタッフを見ている限り、現地採用の日本人立場は、日本人駐在員よりも
圧倒的に低いのは勿論、現地スタッフよりも、言葉や文化対応力で劣るので、彼ら以下の立ち位置です。

従って、「海外でキャリアを積む!」なんて、目を輝かせて、行かない方が良い。
(夢を砕くようで、本当に恐縮だが。。。。)
特殊技能を持つエンジニアとかなら、全く話は別だが、平凡な大卒が、変なロマンを持って、東南アジアの日本企業現地採用になんて、行かない方がいい。
あまりにも、中途半端です。
キャリア的にも、そうです。
前述の様に、重要な仕事なんて任せられないし、語学面だけを取ったて、所詮、日本企業だから、高いレベルの語学力は付かない。

たた、現地の雰囲気に何となく触れるだけで終わって、年だけとって、日本に帰ってくる事になる事を、心から危惧します。
本当に、腕一本で、勝負をかけるのなら、必要な語学力を持った上で、東南アジアの現地企業に、飛び込んで、勝負をすべき。
その自信がないならば、日本にある日本企業で、少なくとも3年は働いて、何かしらの技能を身に着けてから、海外に飛び込むべき。
お節介なのは、十分承知ですが、「日本人だから、現地スタッフよりも、給与面でも人事面でも優遇されて、重要な仕事が任せられる。」と勝手に思い込んでいる、夢多き若者(笑)に、後悔してもらたくないので、書きました。

気分を害してしまったのなら、謝ります。

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