2012年8月18日土曜日

(週刊貴公子)日韓国民の性格の違いが、事態を複雑にしている。

韓国企業との協業経験が豊富にあり、韓国のエリート層にも知己がおり、そして、ハングルを解し、朝鮮日報等の韓国新聞を原文で読んでいる貴公子からみて、今回の韓国・李明博大統領の竹島上陸に端を発する日韓関係の悪化を、とても残念に思っております。

両国間には、難しい歴史問題等もあるが、貴公子は企業人として、韓国企業の目を見張る世界マーケットでのパフォーマンスを深く尊敬しております。
また、「アジアのラテン人」とも言われる、明るく快活な韓国人の国民性を愛しております。
そして、韓国人は韓国人で、日本人の精密さや日本社会の成熟さ・安定性を畏敬の念をもって眺めていると、貴公子は信じております。

ただ、長年、韓国人と公私共に付き合ってきて、互いに全く違う国民性を持っていることも感じます。

それは何かと言うと。。。
日本人には、「感情を押し殺し、感情を徹底的にコントロールする事を良し」とする思考がある。
例えば、どんな嬉しいことが起きようが(大学入試を突破した。希望の会社に入社した。出世した。結婚した等。)、「喜んではいけない。感情を顔や行動に出すのは、幼稚で恥ずかしい事。」との意識を、幼少の頃から、学校で教育されてきた。
 洗脳されてきたと言ってもいいと思う。

一方で、韓国社会では、「感情をストレートに表現する事」を、率直で素晴らしいと考える思想が非常に強い。

この面から、竹島問題を俯瞰すると、この問題の本質は、とても単純な事に起因すると思う。

朝日新聞の記事では、下記の記述があります。
http://www.asahi.com/politics/update/0811/TKY201208110170.html

> 玄葉光一郎外相は11日午前、韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領が島根県の竹島
>(韓国名・独島〈トクト〉)に上陸したことを受け、領有権問題を解決す るため国際司法裁判所
>(ICJ)への提訴を検討する考えを表明した。日本政府が竹島問題のICJ提訴を韓国側に
>提案するのは、1962年以来50年ぶり。

驚いた事は、50年間もICJに提訴していなかった事。
日本人の感覚からすれば、「提訴して、事を荒立てるのは大人げない。だから、曖昧なままにしておこう。でも、教科書には、竹島は日本領土と当然、記載する。」となる。
この日本人的な感覚を、もちろん、貴公子は日本人として、理解する。

でも、韓国人からすれば、「今まで50年間も黙っていて、何を今更言うのか? いくら地下資源が独島の下に眠っているからと言って、ふざけるな。盗人猛々しいとはこの事だ。」となる。

 http://sankei.jp.msn.com/world/news/120812/kor12081220460003-n1.htm
>日本政府が竹島領有権問題の国際司法裁判所への提訴を検討していることについて、
>与党セヌリ党の洪日杓報道官は12日、「盗人たけだけしい」と批判した。

物事を曖昧のままにして、感情を殺し、白黒をつけるのを嫌う日本人と、感情を率直に表現して、白黒をつけたがる韓国人の国民的な意識の違いが、今回のすれ違いを招いたと思う。
そんな日本人でも、北方領土に関しては、昔からある程度は、ロシアに言い続けていたのに、竹島に関しては、「まともにぶつからずに、曖昧な態度で逃げ続けた。」と言うのが不思議ではありますが。。
兎に角、その「逃げ」のツケを、我が国は今、払っているとしか思えない。
この日本人特有の「黙る事で、逃げる」の思考は、世界的には全く理解されない。
であるから、仮に、ICJに受理されたとしても、この「50年間の沈黙」は、わが国に非常に不利に働くでしょう。
(ICJも、「何を今更、日本は、急にそんな言いがかりをつけているんだ!50年の沈黙は、独島は韓国領土と認めたも同義だ。」と、当然、考えるでしょうね。)

国際ビジネスでも、日本人ビジネスマンは、会議でも無表情で黙っているので、欧米のビジネスマンが気味悪がっている状況に、何度か遭遇したことがある。
と言う訳で、非常に平たく言えば、もっと、日本人も、 わあわあ言わないとダメでしょう!

兎に角、領土問題は、実効支配をしている国が圧倒的に強い。
まさか、あの小島の領有権を争って、世界経済を牽引している両国が、戦争する訳も無いだろうから、現状維持のまま、22世紀を迎える事になるでしょうね。

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