2012年9月6日木曜日

「ゲームのルール」 ~ 20台後半、Kさんへの私の回答。

何度かメールをくれた、メーカー勤務の20台後半のKさん、有難うございます。
御覧の様に、8月は、USCPAの試験に忙しくて、きちんとした返事ができずに、失礼しました。

遅くなりましたが、いくつか回答します。

> どうすれば、そうまで前向きで、積極的になれますか。
(中略)
> 仕事での悩みとかかがあったら、教えてほしいです。

前の質問に関しては、「イケメンは、常に前向き!」と回答します。後者に関しては、「ワルは、立ち直りが早い!」と回答します。(笑)
↑↑↑
もちろん、半分冗談です。
全部ではないですがねえ(笑)。。

まあ、Kさんの質問とは、直接関係無いかも知れませんが、今回は、組織論を展開しようと思います。
組織のロジックに対する不十分な理解が、たぶん、Kさんのストレスの原因だと考えるので。
(Kさんのメールを読む限り、Kさんも、この論理を理解していない様に思います。)

貴公子の場合、20台から30代前半に掛けては、今になって思えば、ビジネスとか、組織の「ゲームのルール」を理解していなかったと思います。
貴公子の場合は、30代前半に、このルールを理解してからは、人生が、快適になりましたねえ。
(遅すぎますかねえ。)

この「ゲームのルール」と言う言葉は、2002年に、当時の田中真紀子外相との政争に敗れて、最後は、実刑判決を受け、懲役刑となった、当時の衆議院議員の鈴木宗男と行動を共にした、元外務省官僚・佐藤優が好んで使う言葉です。

佐藤優のWIKIは、ここ。
→ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%90%E8%97%A4%E5%84%AA_(%E5%A4%96%E4%BA%A4%E5%AE%98)

鈴木宗男のWIKIは、ここ。
→ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%88%B4%E6%9C%A8%E5%AE%97%E7%94%B7

この佐藤優という男は、処女作「国家の罠」で、所謂、国後島の「ムネオハウス疑惑」事件の真相を書き立て、当時はかなり話題になった人物です。
と言っても、基本的に宗男氏を擁護し、検察の「国策捜査」を批判しておりましたが。。。

彼も結局、収監された訳だが、彼と検察官の取り調べ室内での遣り取りを記載した部分が、貴公子的には、秀逸だった!
要は、佐藤は、政争の中での「ゲームのルール」を破り、それが逮捕・収監まで繋がったとの事。 
「ゲームのルール」、まあ、いい言葉です。

貴公子は、この言葉を、「ビジネスの文法」とか「組織の文法」とかと言い直しております。
説明しましょう。

例えば、Kさんは、まだ若い。(たぶん、平社員でしょうね。)
そう言う訳で、例えば、こんな展開を想定しました。。(フィクションです。)
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アラフォー課長の貴公子は、20台後半から、30台前半の若者ヒラ社員に、うんざりする様な仕事を、ブン投げます。

貴公子 「この仕事は、上から回ってきた仕事で、絶対に今週中に完遂しないといけない。ミスは許されない。と言う訳で、明日とは言わないが、明後日までに完了して、俺に報告書を出してくれ。」

若者X 「明後日は、とても無理です。せめて、4日間下さい。」

貴公子 「だから、この仕事の期間は一週間なんだよ。どうせ、君は、まともにできないだろう。
君が大失敗しても、残りの3~4日で俺が遂行すると言う意味の保険を掛けるためにも、明後日までだ。」

若者X 「了解しました。」

こうして、若者Xは、2日間徹夜して、設定を完了し、貴公子に報告書を提出する。
すると、貴公子は、若者Xに嫌味を言いながら、コーヒーを飲み飲み、のんびりと、どうでも良い様な推敲をする。(文字フォントを変更したり、文字に色を付けたりして、数時間、遊ぶ。)

そして、その日の夜遅くに、部長の所に嬉々として赴き、こう言う。
「若者Xにちょっとやらしてみたけど、全然、駄目ですね。まあ、貴公子が熱心に説明指導したから、何とかマシにはなったけど、まだまだですなあ、若者Xは。まあ、最終的には、貴公子が、今日一日潰して、手を加えて、報告書を見れるものには、しましたがねえ。」

更に、こういう。
「と言う訳ですので、実質、課長の私の作業となってしまいましたが、まだまだ、内容的に不十分な点が多々あると思います。お忙しいところ、お手を煩わして、誠に恐縮ですが、部長の目を通して頂き、是非、コメントを頂きたく。」

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たぶん、Kさんは、上記の様な状況(手柄の横取りをされた状況)を、性格的に許せないでしょうね。
その感覚は、正常だし、貴公子も若い頃は、そうだった。

ただ、組織には、組織の文法があり、国家間には、国家間の文法がある。
上記の例で言えば、一般の会社では、下記の「組織の文法」がある。
- 「若者は、仕事を押し付けられる。」
- 「若者は、使えないモノと仮定されている。」
- 「課長は、実務能力があり、若者を指導教育する権限があるとされている。」
- 「課長は、部長を立てることになっている。」
- 「部長は、課長の仕事に対し、若干のコメントを発する。逆に言えば、課長案を、
  ノーコメントでスルーさせることはないとされている。」

血気盛んな若者には、馬鹿らしく見えるのでしょうが、人間は、基本的に変化に対して、拒絶反応を示すものだし、ルールとか秩序を好むものであるから、こうした「文法の存在」は、無視できません。

まあ、理解できないでしょうが、20台の若者は、会社では、とりあえず、いびられるし、雑用を押し付けられるし、手柄も先輩に横取りされると、覚え込みましょう!
これは、組織の生理現象ですので、止むを得ないと割り切りましょう!(笑)


兎に角、組織自身の自己防衛本能に基づく、不文律のルールが、組織には存在しているので、その文法を学ぶ事が、元気だけが取り柄の20台ビジネスマンから、デキる30台ビジネスマンへの条件ですね。(笑)

言い換えれば、この文法に逆らうことは非常なエネルギーが必要です。
「文法から逸脱するな!」とは言いませんが、「世間の文法」に対して、異議を唱えることは、生半可な根性では駄目でしょうね。
「組織のルール」に逆らうのであれば、刺し違える位の気合で、やるべきでしょうね。
それならば、周囲も貴方を認めてくれるが、途中で、ヒヨル位なら、止めた方がいいと忠告しておきます。

ところで、同様に、国家間にも「ゲームのルール」は、存在します。


例えば、最近の竹島問題。
「韓国政府が、竹島(独島)を実効支配して、海洋警察基地をつくり、維持することに、日本政府は、強く反発はしない。」、「韓国政府は、日本政府が竹島の領有権に関し、日本の教科書に記載したり、日本の政治家が領有権を主張することに関して、苦情は言うが、それ以上の強い反発はしない。」、「日本政府は、韓国政府の実効支配を黙認する代わりに、韓国政府も、竹島(独島)への自国大物政治家の訪問は自粛させる。」

上記の既定事項が守られている限りは、「日本政府は、国際司法裁判所等への提訴等を含めた、国際社会への露骨な領有権のアピールは自粛する。」と言う、「ゲームのルール」があった筈です。

まあ、深い背景があるのでしょうが、少なくとも、表面的には、今回、上記のゲームのルールを、破ったのは、大統領訪問を実施した韓国政府側にあると考えます。
日本政府にしては、極端かつ強い反発は、「両国間秩序」が破られたことへの怒りが背景にある。

私が、領土問題を議論したところで、何の意味も無いので、この問題に関しては、あえて黙ります。
ただ、「ゲームのルール」の存在が、企業体の様な組織にも、国家にも存在することを説明したかったので、あえて、例として出しました。

こういう意識で、組織を眺めてみてください。
どれはそれで、結構、面白いし、新しい発見がありますよ。


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