2014年1月5日日曜日

【書評】 大前研一の「日本の論点」を、Reviewする!

年末年始に読みました。

大前研一の「日本の論点」です。 
大前氏の指摘は、一々が一々、もっともであると思う。
確かに、挙げた論点は、すべて「日本の論点」であるし、提示しているソリューションも、その通りである事は認める。
しかしながら、その一方で、この本を読んで、20年前から、大前氏の著作を読み続けている貴公子には、彼の限界も分かった気がする。








要は、大前氏の回答は、正しすぎる!
個別の論点に対するソリューションに対して、具体例を挙げて、反証する事はできない。
なぜなら、氏の見解は、圧倒的に正しいから。
ただ、「こうして、あーすれば、こうなる筈。」と言う、三段論法は、「すべての経済現象は、微分方程式で説明できる。」と主張する、近代経済学者と同じで、書生論である事も否めない。

ビジネス界も政界も同じである筈だが、世の中は、三段論法では動かない。人間の嫉妬心、恨みつらみ等の、「恥ずかしい感情」が、国家を含めた組織を、動かす原動力である。
そうした、人間の「悲しいサガ」を無視して、「こうすれば、解決する。これが、正解!」と主張してもねえ。。。。
確かに、大前氏のソリューションは、「圧倒的な正解」であるのだから、一つのベンチマークであることも事実であるので、無視はできない。
ただ、アラフォーにもなると、「そうは言っても、人間は、そう簡単じゃないだよ。」と言うのが、貴公子の本音です。

大前氏の指摘は指摘として、頭の片隅に置きつつも、もっと、人間のドロドロした所を、心で感じながら、「現実的な解」を出すことが必要でしょうねえ。。。
大前氏が、本書の中で、絶賛している橋下大阪市長でさえも、絶対的な理論を言い過ぎて、結局、誰も付いて来なくなってしまった訳であり、人間の心理を、軽んじてはいけないと思う。

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