2015年11月7日土曜日

旧知の中国人社長と呑む@お台場



今週後半に、お台場の感じの良いスペイン料理店で、旧知の中国人社長としんみりと呑みました。
お台場は、基本的に観光客向けの「高い、まずい」店が多いのですが、ここは地元の人たちが静かに、あるいはにぎやかにワインを飲むにはもってこいです。

この店です。 → スペイン料理、バル ボデカ ザ サリア
仲間とにぎやかにやりたいなら1Fが良いし、しんみり語りたいなら2Fですね。
と言う訳で、今回は2Fを使いました。
兎に角、この店は秀逸です。

ところで、この中国人社長は、貴公子が上海のプロジェクトで2006年~2007年に掛けて働いていた時に、貴公子が見つけた地場のIT企業の創業者ですが、仕事に対するビジョンが大きく、当時、いたく衝撃を受けました。
それ以降、お付き合いが続いております。

現在は、日本と中国を股に掛けて、かなり手広く業務をやっているし、特に上海エリアで大手日系企業を数多く、顧客として抱えており、会社の業容も拡大しております。
仮に、X社長とします。

中々、衝撃的な呑み会でした。
3時間に及ぶ会話をすべて録音して、公開したい位です。笑。
以下、テーマごとに抄訳します。

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1. 中国経済全般と日系進出企業に関し。

X社長 「一年ぶりですね。お元気でしたか?」

貴公子 「こちらこそ、お久しぶりです。どうですか、東京は?」

X社長 「ここ数年は、数か月於きに仕事で来ているが、東京に来るとホッとしますね。」

貴公子 「治安が良いと言う事ですか?」

X社長 「そうではなく、物価が安いと感じます。上海の物価はここ数年で急騰しており、サービス業の価格は、明らかに東京以上だ。」

貴公子 「日本では、中国経済は調子が悪く、日系企業をはじめとした外資の撤退が相次いでいると聞いていますが。。。」

X社長 「確かに、製造業を中心に撤退は多いが、逆にサービス業(例えばコンサルとか)の参入は多く、実感として、景気が停滞しているとは思わない。だから、物価も上昇している。」

貴公子 「最近、テスラモーターに関する本を読んだが(講談社刊、イーロン・マスク 未来を創る男)、中国ではテスラモーターは手広く商売しているようですね。」

X社長 「上海では、テスラの電気自動車は良く見る。東京で見かけないのは不思議に思っていた。消費市場としての中国は、どの国の企業も無視できないのが現状だ。」

貴公子 「なるほど。企業ITも上海の方が進んでいる様ですしね。」

X社長 「例えば、日系企業の中国拠点のIT環境は、日本本社よりも進んでいる。日本は、何でもかんでも役員会決裁で、時間が掛かり過ぎる。企業IT環境に関して言えば、上海の方が東京よりも高度ですね。」

貴公子 「なるほど、『失われた20年』は30年へと伸びている訳ですね。」



2.  今後のIT業界の展望

貴公子 「ところで、X社長は、仮想化技術に2010年以前から注目し、そちらの方に社内資源を重点展開し、ここ数年で業容を大幅に拡大した訳ですが、いつ頃から、今の状況が見えていましたか?」

X社長 「2008年には見えていた。2008年以前は、SI事業に主力を置いていたが、2009年にはSI部門は切り離して、上海でのデータセンター運営事業に集中した。周りよりも3年位、気が付くの早かったとは思う。」

貴公子 「2008年の段階で見えていたと言うのは、さすがです。私は2012年位まで、見えなかった。これから、2020年に掛けてどうなると思いますか?」
 
X社長 「クラウド化が進展するのは間違いない。よって、当社もアプリ側に舵を切っている。ただ、2020年以降に関しては、正直、見当が付かない。何しろ技術の進展が早い業界だから。」

貴公子 「なるほど。ところで、どうですか?日中を股に掛けるグローバル企業のオーナー兼社長の地位は?」

X社長 「最大株主でもあるので、重要な意思決定はするが、日常のこまごました業務には一切、口を出さない事にしている。当社はすでに優秀な人材を上海で揃えているので、自動車に例えれば、エンジン出力は高い。よって、ハンドル捌きが私の仕事になっている。トップのちょっとしたハンドルミスが数年後の大事故に繋がるのは、貴公子さんもよく分かるでしょう。」

3. ゴルフについて。

X社長 「上海に比べれば、日本のゴルフ場は激安だ。今度、一緒にプレーしよう。」

貴公子 「下手だけど、よろしくお願いします。」

X社長 「ゴルフはビジネスに欠かせない。一緒にプレーして、そのプレースタイルを見る事で、一緒に仕事が出来る人かどうかが判断できる。上手いとか下手ではなくて、『相手をケアできる人間か?』とか『自分勝手な人間か否か?』も含めて、多くの事が分かる。」

貴公子 「なるほど、深いですね。では今度、一緒に成田空港近くのコースでやりましょう!」

X社長 「虹橋空港近くのコースで会員権を持っているから、次回、上海に来る時は、ゴルフバックを持って来てくださいね。」

4. 御縁について。

貴公子 「ところで、今度、転職する事になりました。転職先は、○○社です。多分、御存じだと思いますが。。。。」

X社長 「○○社だって。。。あの○○社????」

貴公子 「まあ、IT企業としては有名だから、御存じだとは思いましたが。。。何か上海で繋がりがあるんですか?」

X社長 「あるもないも、○○社とは、上海で協業関係を超えて、パートーナー契約を結んでいるよ。転職面接では、××さんの面接もあったんじゃない?」

貴公子 「××さんは、面接官でもあったし、入社後の貴公子の上司です。」

X社長 「正に、偶然だ! 凄いし、驚きだ!」

貴公子 「びっくりですね。世界って狭いですね。ただ、貴公子は8年前に貴社を数ある上海のSI企業の中から選択した。そして、○○社は4年前に貴社をパートナーとして選択した。つまり、貴公子と○○社は、同じ嗅覚を持っていると言う事だから、その○○社が今回、貴公子を中堅管理職として、採用したことはある種の必然かも知れませんね。」

X社長 「面白い事を言うね。正に、天佑かもしれないね。では、乾杯!」
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あっと言う間の3時間でした。
ビールのグラスで乾杯した後は、ちょっと高めのワインをボトルで入れて、肉料理をつつきながらの歓談となりました。
すべての会話が勉強になりましたし、とても刺激的でした。

これから、貴公子は新天地で、グローバル化のバージョンアップをします。
まだまだ、青いですが、これからも応援をお願いします!

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