2017年3月5日日曜日

下手に海外に手を出すのは子供っぽいと思う。

企業にとって、大切な事は言うまでもなく、利益を出して税金を納め、そして雇用を守ることです。
兎に角、利益を出さないと企業としての価値はありません。

逆に、利益を出す事を目的としないならば、それはNGOであったり、ボランティア団体と言った分類になるのでしょうね。
因みに貴公子が心酔するマザーハウス社は、「NGO色が強い営利企業」であり、必ずしも上記の分類が明確化しない場合もあるが、少なくとも上場している企業ならば、明確に営利企業と規定して良いと思う。
勿論、貴公子が今所属している企業も、完璧な営利企業であるし、逆に言えば、営利企業以外には、勤務した事はありません。

最近、違和感を感じることは、利益よりもGlobal化が目的になっている様な営利企業が多い様に感じることです。
ただ、まず言いたいのは、海外では簡単に儲かりません。

例えば、スズキ自動車はインドで成功しておりますが、数十年間の地道な努力の上で、何とかオペレーションが回る様になっているだけで、ある意味、例外的です。
中国には、我が国企業は大量に進出しているが、殆どの企業の中国オペレーションは赤字なのではないだろうか?
顧客要望とかで、「中国にさえ進出していない。」と言う事が許されず、渋々、進出している企業も多いのは認めるが、それにしても、海外進出の犠牲は大きいです。

経済的に発展し、政治的に安定している中国でさえこんな感じである訳で、政治的に超不安定なアフリカとか南米に進出する企業に対しては、「本当に、それは利益になるのですか?」と、是非、聞きたい。

グローバルオペレーションを標榜する方が、企業にとってはカッコいいので、社内的にも、正面を切って、海外進出を否定しずらい雰囲気はどの企業にもあるのは理解するが、政治的に不安定な国で、どうやって利益を上げるのでしょうかねえ。。。
不可能ではないにしても、「現地語も話せず、現地ビジネスも分からないどころか、英語も何とか話せます」レベルの駐在員が数年間、駐在した位で、現地オペレーションで利益が出せる筈がない。

前職の会社もそうだったが、「Global Operationをすることが目的になっており、利益が2の次になっている企業」が、散見されると思っております。
どこの企業にも、「未開の地で仕事を1からやってみたいと考える冒険家」がおり、そういう人物が、会社全体を変にドライブしがちなのであるが、その手の冒険家は、「会社はエキサイティングな冒険を提供する所ではなく、利益を出すところだ。」と言う基本的な思考が完全に抜け落ちております。

貴公子は、そう言う人を「海外大好き症候群の青二才」と呼んでおります。
と言うと、「いくらなんでも言い過ぎだろう。お前だって、フィリピンで月給3万円で仕事してたじゃん。」とか言われそうですが、マニラの熱い夜シリーズでも何度もしつこく書いたように、あれはビジネスではなく、単なる冒険心を満たす為の自己満足です。笑
実際、激闘マニラでの4年間(第5章。番外編)には、こう書いてあります。

以下、引用。
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もう一度、言います。
基本的に、貴公子がフィリピンで体験したのは、「くだらん苦労」です。
これは、揺るがない事実です。(笑)
そして、「くだらん苦労は、しないに越した事はない。」と言い切ります。
「楽に生きろ!」とは言いませんが、「する価値のある苦労をすべきだ。」と言いたい。
また、「若者は、苦労すべき!」とも言いません。
何度でも言いますが、「意味のない苦労は、意味がない。」と言います。
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兎に角、最近は、どの企業も安易に海外、海外と言い過ぎです。
「その海外進出は、本当に必要ですか? 社内冒険家の口車に乗ってませんか?」と、是非、問いかけたい。
冒険をしたいなら、国際的なNGO団体にでも入るべきです。

まあ、普通に見て、海外オペレーションで日本企業が利益が出せる可能性のある国は、政治的に安定し、経済活動が活発な国しかありません。
アジアなら、中国、韓国、インド、東南アジアの数カ国程度でしょう。
これらの国でも、「死ぬほどの努力」をして、何とか利益を出せるかどうかと言うのが現実でしょうね。
逆に言えば、「優秀な人材を張り付けて、死ぬほどの努力をして、何とか利益を出す」位のレベルならば、その「優秀な人材」を国内に於いておいて、大いに稼いでもらった方が良いかもしれません。

繰り返しになりますが、「海外!、海外!」と言う企業は、もう少し冷静になった方が良いと思います。

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