2017年4月2日日曜日

日本企業が海外で失敗する理由が分かった!

旅行会社「てるみくらぶ」のリアル被害者の貴公子です。
しばらく、この枕詞を使いますね。

さて、多くの日本企業が、海外進出をしておりますが、実は、きちんと海外で利益を出せている企業は少ないですね。
トヨタとかキャノンとかのごく一部の企業と、それらの企業にくっ付いて海外に進出している企業を除けば、驚くほど、どの企業も利益を出せておりません。
(尚、最近は中国に進出している日系企業が、かの国の金融規制により、現地での利益を日本に送金しずらくなっており、ここは我が国ビジネス界で大きな問題となっておりますねえ。。)

さてと、東芝です。
今年度末での債務超過と、それに伴う東証1部から2部への降格は確実であり、それを大前提にして、再建策が練られております。
出てきた案が、米国の原発子会社Westinghouseを倒産させると言う荒業です。
ただ、この件に関する我が国メディアの報道を眺めていると、日経を含めて、変に楽観的です。
曰く、「リスクを遮断して、V字回復を目指す。」みたいなヘッドラインです。

でも、本当にそうでしょうか?
例えば、下記のThe Wall Street Journalの記事です。

Westinghouse files for bankruptcy, with 4 U.S. nuclear reactors unfinished
>The filing is likely to start extensive negotiations between Toshiba and the
>utilities for which it was building the reactors, Southern Co. SO, +0.22%
>and Scana Corp. SCG, -0.31%   The utilities have said Toshiba is responsible
>for any Westinghouse debts related to the nuclear plants. But Toshiba
>could contest that.

要は、電力会社と東芝の間に、今後の債務負担に関して、見解の相違があるとの事です。
WHほどの規模の会社だし、現在進行中の建設プラントもある中で、「倒産しました。後は知りません。」となる訳はなく、これから米国での泥沼法廷闘争が待っております。

現代ビジネスの下記記事が、我が国メディアの記事では、唯一マトモですねえ。

東芝「WH破産申請」でも残る三つの爆弾
>日本経済新聞は「債務保証7934億円履行へ」と報じていたので、その通りならば、
>本決算では単純に合算して1兆5000億円の損失処理を迫られることになる。
>それだけではない。さらに、WHの破綻によって原発が完成できないとなれば、
>損害賠償が起こされる可能性が高い。
>東芝が3月に発表した資料には、完成しなかった場合の損害賠償についても親会社と
>して東芝が保証しているとあった。つまり、WHを破産法申請させたからと言って、
>「リスクを遮断」することにはならないのだ。

米国で始まるこの法廷闘争は、キツイですよ。
何度も書きますが、「稼ぐアジアと簒奪する欧米」と言う大枠の中で、こういう時の米国は、徹底的に簒奪モードに入りますからねえ。。

米国での、この手の裁判は苛烈で、経営者は責任を取らされて、刑務所にぶち込まれる事も珍しくありません。

そう考えてみると、日本は経営者は、気楽ですね。
東芝は何年にも渡り、粉飾決算をし、投資家や取引先を欺いた上に、直近では、また内部統制違反(WHで粉飾をしようとした)をした上に、決算書の提出もできず(2度延期)、更に債務超過に転落しました。

そうであるのに、過去の経営者は、小額の損害賠償裁判を起こされている位で、安穏と御茶をすすりながら、囲碁を打っております。(平和ですねえ。)
そして、あろう事か、先週の東芝の臨時株主総会には、一連の問題のキーパースンである志賀会長は、「体調不良で欠席」と逃げました。

この「ふざけ」が許される企業文化は、我が国だけでしょうね。
また、東京証券取引所も、これだけコケにされながらも、意地になって、上場廃止と言う伝家の宝刀は抜きません。
政府は政府で、この期に及んでも、「東芝の技術を守らなければ。」とかふざけた事を言って、公的資金(つまり税金)投入で救おうとしております。
要は、すべては「なあなあ」ですねえ。。

てるみくらぶの経営者も同じですね。(数千万円の年収を得ていたみたいですから、既に数億円の金融資産があるでしょう。それで数年後に別の事業を起すのでしょうね。)

要は、我が国は、経営者の不正に対してに甘過ぎます。
そんな企業文化で、甘やかされた経営者が、同じ感覚で、魑魅魍魎な海外ビジネス界に飛び込んだところで、勝負になる訳がない。

そして、我が国は従業員も、経営者に対して甘いですねえ。
フランスでは、年収2000万円超のエールフランスの機長が、労働組合で「年収を上げろ!」と主張して、ストライキをします。
隣の韓国では、年収1200万円の現代自動車の工場労働者も、しょっちゅうデモをして、ラインを止めております。
一方で、貴公子が個人的に少し知っている本邦の未上場製造会社ですが、そこの創業者は酒に酔うと、「俺の金融資産はとうとう、500億円を超えた!」とか言っております。
しかし、そこの会社にスタッフで勤務する知り合いの話を聞く限り、明らかに薄給&激務のブラック企業ですね。
でも、従業員は怒りを持つどころか、「ウチの社長は凄い!」とか言って、無邪気に感動をしております。

つまり、裁判所も、証券取引所も、株主も、そして従業員も、寄ってたかって経営者を甘やかしておりますねえ。
そんな感覚で、海外に行っても勝てませんねえ。
何だか非常にクリアです。

経営者に厳しい国家となるべきだ。

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